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男女の生物学的違いと経済格差──労働生産性の視点から考える

更新日:3月12日





はじめに


「男女の脳の作りは元々違うのではないか」「男性/女性の方が生産的な労働ができる」といった議論は科学的エビデンスで否定されつつあり、組織のおける男女の労働生産性には違いがないように思えます。今回は労働経済学ではフォーカスされてこなかった男女での「生物学的違い」に着目した興味深い研究をご紹介します。


これまで、男女の経済格差は主に教育や文化的背景、職場の制度的な要因によるものと考えられてきましたが、生物学的な性差が労働生産性に及ぼす影響についての研究はまだ十分に進んでいません。「男女の脳や思考の違い」ではなく、男女のホルモンバランスに着目した早稲田大学教育・総合科学学術院の黒田祥子教授による研究です。


女性のホルモンバランスの変動が労働生産性に与える影響および男性のストレス管理と生産性の関連について掘り下げていきます。労働生産性を高めるために企業ができることについても触れています。



【目次】

はじめに

女性の生物学的特性と労働生産性

ホルモンバランスの変動は仕事のパフォーマンスに関係があるのか?

男性のメンタルバランスとパフォーマンスの関係

企業と社会に求められる対応策

最後に



女性の生物学的特性と労働生産性

ホルモンバランスの変動は仕事のパフォーマンスに関係があるのか?


本調査は、黒田教授がこの調査は、大手製造業1社と協力し実現した産学連携プロジェクトで、当該企業に務める正社員の男女を対象に調査が行われています。「日々の体調不良を感じる頻度が、男女でどの程度異なるのか」を20~30代の500人を対象に56日間の追跡調査をしたものです。


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